2020年第2四半期の資金循環

2020年第2四半期の資金循環

参考図表(PDF)

日銀ホームページ

New Home Sales

United States New Home Sales

Japan CPI Housing

不動産価格指数

New Home Sales – Wikipedia

英国はどちらのボリスを得るだろうか?

The Economist の記事を訳出しました。
The Conservative leadership: Which Boris would Britain get?
原文はこちらから読めます。


保守的なリーダーシップ
英国はどちらのボリスを得るだろうか?

英国の次期首相候補は、大衆に迎合することを抗えない。不吉な今日の醜い政治

3年前の今週末に解き放たれたブレグジットという名のモンスターは、すでに2人のイギリス首相を飲み込んでいる。2016年6月24日に国民投票の結果が発表された数時間後、デイヴィッド・キャメロンは降伏した。テリーザ・メイは自信を持って始めたが、すぐに自分自身が追い詰められていることに気がついた。保守党議員は、彼女に代わって党首に、そして首相になる候補者リストを作成した。党員は7月末までに決定を下す。議員と活動家の間で圧倒的に有力なのはボリス・ジョンソンだ。

しかしそれは、いったいどちらのボリス・ジョンソンだろうか? ヨーロッパの諸都市を愉悦と侮蔑の混ざりあった目で眺める元外務長官は、時々によって異なる態度を装ってきた。2008年から16年にかけてのリベラルで国際的なロンドンの市長として、彼は移民と単一市場の美徳を説いた。彼は易々と鞍替えし、EU離脱キャンペーンの重要人物として、移住を批判し、以前は支持していたにもかかわらず、トルコがEUに加盟することの危険性について警鐘を鳴らした。そして現在、彼は右派の保守党党員の票を得ようとして、合意なしでEUを離脱する見通しについて明言する—それが障害になれば「ビジネスなんか知ったことか」と答える—そして、ブルカをまとった女性は「まるで郵便ポストみたいだ」と冗談を言う。

気が滅入ることに、このイカサマはうまくいっている。より穏健な候補者による決然としたキャンペーンにもかかわらず、ジョンソン氏は党員の投票で勝利すると目される人物だ。さらにわからないのが、職務において彼がどのように振る舞うかということだ。欧州離脱物語が長びくにつれて、イギリスはますます分極化してきている。大きく分断された国で、ジョンソン氏はどの観客の期待に応えようとするだろうか?

次期首相が選別されている方法は、候補となっているのがどのような人物なのかを推測しやすくしてくれない。党首は、総選挙に直面するのではなく、何よりもブレグジットを望む16万人の熱心な保守党の活動家によって選ばれる。今週の世論調査では、経済に「重大な損害」を与えたとしても、スコットランドと北アイルランドとの連合を解体したとしても、保守党自体を「破壊し」ても、大多数がEUを離脱したがっていることが判明した。候補者は詳細なマニフェストを作成していない。特にジョンソン氏は珍しいほどに恥ずかしがり屋であり、他の候補者と討論したり、ジャーナリストに質問される可能性をほとんど避けてきた。

指導哲学の欠如は彼の弱点というべきだ。しかし、このような騒がしい時代には、それが彼の成功の要となっている。彼は政治的な信念をほとんど持っていないので、人々は自分の信念の収納場所として彼を使うことができる。ハードコアの離脱派は、10月31日までにEUがより良い条件を提示することを拒否した場合、彼が合意なしで離脱するという考えに飛びついた。残留派は、彼が本当は心はリベラルであり、本当に危険なことは何もしないだろうと—さらには彼一流のサービス精神によりあえて期待を裏切って第2の国民投票さえ求めるかもしれないと—自分に言い聞かせる。彼の言葉がほとんど何も意味しないということは、彼が、過去に約束したことと無関関係に、結局自分たちが望むことを実行してくれるのではないかという合図として両サイドに受け取られる。

これは愚かであり、ドナルド・トランプを大統領に支持した連立を彷彿とさせる。トランプ氏の常軌を逸した約束(メキシコ国境の壁や、カナダとの貿易戦争)をある者は信じたが、それ以外は文字通り受け取るべきではない言動の一部と考えていた—そして、ぞっとするようなショックを受け続けることになった。2人の金髪爆弾の類似点はこれだけではない。ナルシシズム、怠惰、他人を利用する意欲と同様に、彼らは黒が白であり、その逆であると主張する才能を共有している。英国はまだ、さまざまな党の支持者たちが基本的事実について合意することすらできないアメリカの沈滞に苦しんでいない。しかし、奔放に自己矛盾しつつ大きな冗談に人を巻き込むジョンソン氏が率いる政府は、英国に同じ道をたどらせるだろう。

ジョンソン氏にとっての最善のケースは、ブレグジットの合意を3度拒否した議会に対して、彼がセールスマンとしてのスキルや、セールストーク、またはそれに似た方法を使うかもしれないことだ。メイ氏は最後の挑戦で58票減らした。それ以来、労働、保守の両党ともに、自民党とブレグジット党それぞれに群がっている彼らの支持者たちにブレグジットが与える影響を恐れている。選挙に当選したばかりで、自分の党内で人気があり、木でできているかのように生気がないメイ氏に対して磁石でできているかのように人を引きつけるジョンソン氏は、議員を十分に説得して彼らの考えを変えることができるかもしれない。本紙が望んでいる、彼が議会の行き詰まりを打開するために合意について国民投票を選ぶということは、ありそうにない。さらに言えば、彼についての多くが、ありそうにない。

悲しいかな、ジョンソン氏にとってありそうなのは、不利に働くケースのほうだ。彼は道標ではなく風見鶏であり、現時点においては、英国の風は危険な方角に向かって吹いている。先月のヨーロッパの選挙で最初にあらわれ、いまや合意なき離脱を約束して世論調査をリードしているポピュリストであるブレグジット党の急上昇は、その反乱を収める唯一の方法がそれを真似ることだと信じている保守党を怖がらせている。国民投票のだいぶ前から、保守党は、その支持者たちが経済的価値観よりも文化的価値観によって結束している政党へとしだいに変化してきた。ブレグジットはその傾向を加速させた。次の保守党党首は、自由市場を推進する立場から(皮肉にも)ヨーロッパ型の右派ポピュリストへと党をシフトさせていくことを余儀なくされるだろう。ジョンソン氏はその転換を実現することができそうだ。

馬鹿げた逆さまのピラミッド

風見鶏たるジョンソン氏は、アイデアや指導、指示を求めて、ダウニング街10番地と内閣にいる自分の周囲の人々にかつてないほどに依存するだろう。アドバイスや専門家に憤っているトランプ氏とは対照的に、ジョンソン氏は、自身が栄光を勝ち得るならば、喜んで他人に任せて仕事をさせる。主流の共和党員の大部分は、当初トランプ氏を認めず、彼のために働くことを否定したが、穏健な保守党党員は、内閣で旨味のあるポジションにありつける期待から、ジョンソン氏の旗印に群がっている。彼らの多くは、合意なきブレグジットは英国にとっては悪いことであり、したがって、おそらく保守党にとっても災難となることを認識している。ジョンソン氏が最終的に権力の座に就けば、彼のくだらない本能の手綱を握る役目が彼らに降りかかるだろう。彼らが失敗すれば、そう遠からぬうちに、ブレグジットという名のモンスターが、3人目の首相を噛み飽きて吐き出すだろう。

Facebookのグローバル通貨

The Economist の記事を訳出しました。
Weighing Libra in the balance: Facebook wants to create a global currency
原文はこちらから読めます。


Libraを均衡させる
Facebookがグローバル通貨を作ろうとしている

どのような問題が起こりうるだろうか?

何年にもわたり、ウォール街の有力者たちは、シリコンバレーのテクノロジー大手が金融業界を揺さぶることを心配してきた。Facebookはひとつの方法を見つけたと考えている。彼らは2020年にデジタル通貨、Libraを発表する予定だ。このマーク・ザッカーバーグが代表を務める企業は、支払いサービスの普及に失敗している。そのプライバシーの乱用と言い逃れの習慣を考えると、彼らが他人の金を守るようには思えない。しかし、その会社を好きにせよ嫌いにせよ、その新しい計画には誰もが注目している。Libraの価値は主要通貨のバスケットと連動され、大量の取引を扱うことができ、28の他の大企業は、通貨の後ろ盾となる共同体に加入すると言っている。Facebookの24億人のユーザーがLibraを使って買い物や送金をした場合、それは世界最大の金融機関のひとつになる可能性がある。それは消費者革命の先駆けとなるだろうが、金融システムの安定性を低下させ、政府の経済的主権を弱める可能性もある。

新しい金融インフラはソーシャルメディアやチャットの顧客と結びついているので、Facebookの関心は自身の存続にある。それでも、金融のデジタル化は、何十億もの人々の生活をより簡単で安くすることを約束する。デジタル決済が普及している中国では、チャットアプリ内で友人や企業にタダ同然で送金している。アメリカでは毎年180億の小切手が署名されている。手数料はごく典型的な国境をまたいだ送金の5%におよぶ。そして、クレジットカード大手3社が、彼らが扱う世界規模の取引から約0.25%の上澄みを取っているが、これは、年間300億ドル以上の価値がある。

西側の金融を再設計するための多くの既存の試みは信頼できない。Bitcoinのような暗号通貨は、本質的な価値や中心的な監視がなく、詐欺の危険性があり、電気や計算処理能力を大量に消費する。PayPalやApple Payなどのデジタル決済システムでは、デビットカードやクレジットカードのシステムに対抗するのではなく、便乗している。2015年に開始されたFacebookの支払いサービスの実験は、銀行のデビットカードに基づいていた。それは失敗に終わった。

Libraはこれらの落とし穴を避けるように設計されている。それは、主に国債を保有している準備基金が完全に後ろ盾となるので、そのボラティリティは抑制される。その通貨は、匿名の取引記録が記録される中央集権型データベースを監督する独立機関によって管理される。そのシステムはオープンになるので、どの企業も自由に顧客がLibraを使用するデジタルウォレットを作ることができる。Uber、Vodafone、Spotifyは、主要メンバーになることを切望している大企業の一部だ。店舗や貿易商にLibraを受け入れさせるためのインセンティブを提供する配当金が用意されている。

好ましくないものは何か? Menlo Parkで18ヶ月にわたり準備を進めてきたザッカーバーグ氏のイニシアチブには2つの問題がある。第一に、それは金融システムの安定性を乱す可能性がある。アメリカ最大の銀行、JPMorgan Chaseは、5000万のデジタルクライアントを抱えている。Libraは優にその10倍の数に達することができる。西側のすべての預金者が自分たちの銀行貯蓄の10分の1をLibraに移動させれば、その準備資金は2兆ドル以上の価値となり、債券市場で大きな力となるだろう。突然、多くの預金がLibraに向けて出金するのを見た銀行は、彼らの支払能力に対するパニックに脆弱になり、融資を縮小しなければならなくなるだろう。そして国境を越えて巨額が流れる可能性が、新興国を脆弱な国際収支で心配させるだろう。

それが第二の脅威となる。Libraの統治だ。ジェームズ・ボンドの宿敵スペクターのように、当初はコンソーシアムによって管理されていたスイスの協会によって運営される予定だ。このソーシャルメディア企業は多くのLibraユーザーを供給し、結果的には覇権を握る可能性があるが、それはFacebookから独立した存在になるだろう。Facebookは規制当局と話していると言っているが、その仮定はLibraが最終的に政府や中央銀行を超越することができるということであるように思われる。Facebookはまた、ユーザーのデータを保護すると約束している。買い手危険負担であろう。

ザッカーバーグ氏はかつて速く行動して物事を破壊していた。今回、彼はゆっくり行動して事前の通知を行っている。しかし、だからといって、デジタルマネーは世界をより良い方向に変える可能性を秘めているが、それが多くの害をも及ぼしうることを隠すことにはならない。政府はソーシャルメディアを暴動させるがままにしている。Facebookは、政府がお金で同じ過ちを犯さないことを明らかにしようとしている。

トランプとマリオ・ドラギ ユーロ圏の金融政策を巡って

The Economist の記事を訳出しました。
The next economic battleground: Donald Trump takes aim at Mario Draghi over interest rates
原文はこちらから読めます。


次の経済的な戦場
ドナルド・トランプは金利についてマリオ・ドラギに狙いを定める

アメリカの大統領はユーロ圏の金融政策が不公平であると訴える

マリオ・ドラギは、6月18日にポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)の年次総会で講演を行うために立ち上がったとき、確かに反応を期待していた。しかし、おそらくそれは、世界で最も力を持つ男からのものではなかった。ドラギ氏は、ユーロ圏の経済が改善されなかった場合、ECBは金融緩和をする用意があると発表した。彼が席に戻った数時間後、ドナルド・トランプ大統領はツイッターで「彼らが米国と競争することを不当に容易にする」と彼を非難した。ヨーロッパの国々は「中国や他の国々と共に、何年にもわたってこれをやりおおせてきた」と彼は主張する。

この激怒は、トランプ氏が、彼が好んで振り回す貿易関税だけではなく、金利と為替レートを、経済戦争の武器とみなしていることを改めて示す。

ECBが金融緩和を実行するにあたって「かなりの余裕」があると宣言することによって、ドラギ氏は懐疑的な投資家に中央銀行がユーロ圏の低迷する経済を後押しすることができると納得させようとしていた。彼はしばらくの間は成功したようだ。投資家は今後数ヶ月の間にさらなる刺激策が講じられることを期待しているので、彼のコメントによってユーロはドルに対して0.5%下落した。(それはその日の残りの下落の大部分を占めていたのではあるが。)

市場の反応がトランプ氏を襲った。珍しいことに、彼は攻撃対象として「マリオD」を選び出した。しかし彼は以前、ユーロが弱いことについて不平を言っていた。昨年7月、彼は金利と為替レートを操作したことについてEUと中国の双方を非難した。中央銀行が自国の競争力を高めるために切り下げを行っているという非難は目新しいものではなく、これまではアメリカに対してぶつけられてきた。2010年にFRBが量的緩和プログラムを拡大したとき、多くの国が通貨を切り下げようと介入し、当時のブラジルの財務大臣であるGuido Mantegaに「通貨戦争」という用語を生み出させた。

トランプ氏のユーロ安、ひいてはドル高に対する批判は、戦略的なタイミングで行われたのかもしれない。次の2日間で連邦準備制度理事会は、金融政策について会談し、トランプ氏は金利の引き下げを何度も求めた。しかし、FRBは金利設定において独立しているため、ECBの決定はもちろんのこと、彼がその決定に直接影響を与えることはできない。ドラギ氏は通貨戦争を始めるかどうか尋ねられて、彼の唯一の目的は銀行のインフレ目標を達成することであると答えた。彼は「為替レートは目標にしていない」と言った。聴衆は拍手喝采を送った。

しかし、トランプ氏は、ヨーロッパとの貿易について新たな敵対的行為を始めることを決定できる。11月までに、自動車に対するアメリカの輸入関税が増額されるかどうかが決定されると見られている。トランプ氏がアメリカがECBに不当に扱われてきたと考えているのならば、そのことは彼によりそれを実行させたがらせるだろう。しかし、ECBの金融緩和はゼロサムゲームではない。より緩和された政策はより弱い為替レートによって部分的に機能するが、ユーロ圏の経済活性化の効果はアメリカのオートバイとバーボンへのより強い購買欲求をも生み出すはずだ。

トランプ氏がヨーロッパからの輸入品に関税をかける理由として為替レートを持ち出すのであれば、それは自滅を意味する可能性がある。ユーロ圏の経済はさらに打撃を受け、ドラギ氏はさらに刺激策を講じることを強いられ、ユーロを下落させるだろう。確かにECBは、アメリカの保護主義に対して企業が抱いている恐怖と世界貿易の減速が、すでにユーロ圏に悪影響を及ぼしていると考えている。皮肉なことに、トランプ氏こそが、そもそもドラギ氏が今日立ち上がった理由の一部だったのかもしれない。

ページトップへ